現在DVに遭い悩んでらっしゃる方は、DVの被害を受けている母子を配偶者から守ってくれるシェルターという施設を意識したことがあると思います。
しかし実際問題
子供の学校の理由から現状維持しながらの問題解決をしたい。
自分一人で生きていく自信がない。
などの問題と直面すると、離婚はもとよりシェルターに入所することは極力避けたい道である事は間違いないです。
そのようなことから私もずるずると避けていた問題でした。
それでもシェルターに入所したことで、色々な悩み、思いを断ち切り、母子家庭になる大きなきっかけをもらった場所です。
シェルターについて検索すると、一方的に離婚や別をすすめられる。
など、マイナスに感じている方の意見が多く感じました。
しかしシェルターを利用することはもう最終段階まできてしまっているということ。
その上でどうしていくかを一緒に考えて、その道へ振り分けてくれるための施設だという認識は持っておいた方がいいです。
施設のスタッフが冷たい、規則が厳しいなどの意見も見受けられます。
しかし施設利用者はほとんどの方が
- DVで傷ついた繊細な方
- 洗脳が解け切れていない方
施設側としては不信感をもたれないよう、平等に、規則をしっかりと掲げることは致し方ありません。
あくまでシェルターは避難所です。
ここではシェルター入所をすすめてはいません。
なぜならそうなる前にできることがあるからです。
下の記事では、相談窓口の紹介をしています。
相談窓口で緊急性が高い場合は、シェルター入所を提案される場合もあります。
そんな時に実態があまり表立っていないシェルターに入所するのは不安でしかないですよね。
この記事では
- 私が利用してみてわかった事
- どのような場所でどのような支援を受けれるか
- 実際どんな支援を受けたか
などの体験談を含めて情報をシェアしていけたらと思います。
Contents
【シェルター入所】施設内ではどのような生活をするのか

私の利用したシェルターは、建物は厳重に守られているものの、違和感なく日常に馴染んでいて、シェルターとは特定しにくいだろうなと感じました。
どのようなお部屋が用意されているのか
私は母子世帯での入所したので、個室を利用しました。
部屋は小さな旅館の一室の様で、テレビと備え付けの家具、ユニットバス付きでした。
一人で利用されてる方たちは、部屋、トイレ、シャワーすべて共同で使用されていました。
生活で必要なものは支給されます
お部屋にはあらかじめ、以下のものが用意されてありました。
- 歯ブラシ
- 歯磨き粉
- シャンプー
- 石鹸
- 体洗い用タオル
私たち世帯は、急に飛び出したので用意が足りなかった服などは貸していただいたり、子供のオムツの支給やその他も必要に応じて支給されたり、貸し出しがありました。
一日の流れ
午前
- ラジオ体操(自由参加)
- 朝食(毎日パン、ヨーグルト、チーズ、牛乳)
- 洗濯
- 保健師さんが健康チェックにまわる
午後
- 昼食
- おやつ
- 夕食
- 就寝
生活の決まり
- ご飯の時間になると放送が鳴るので食堂に行き決まった場所で食べる
- 食事は毎食支援員の方が用意してくれてあり、自分たちは洗い物をするのみ
- ご飯以外に子供の時間にお腹がすいて泣いても支給なし
- 洗濯は決まった時間内で共同の洗濯機を使用
- お金の貸し借りはしない
- 入所者同士の素性は話さない
- 入所者同士関与し合わない
- 相談員とこれからの話し合いをする
- テレビは決めれた時間内で子供番組など視聴
- 定期的に物作りの教室がおこなわれるので自由に参加できる
- プレイルームで開放時間中は遊ぶ
【シェルター入所】受けれる支援、支援を受けてみて

まず入所一日目に健康状態(持病、アレルギーなど)、精神状態を用紙に記入し、保健師さんとやり取りしました。
施設の相談員さんとは、抱えている悩みや、希望する支援のアンケート用紙を記入しそれをもとに退所に向けて話し合いを進めていく事になります。
その内容が以下の通りです。
支援内容
- 心理カウンセリング
- 離婚を選択した場合どのような支援を受けれるのか
- 弁護士相談
- 保護命令の申し立て
心理カウンセリング
私が相談した内容やカウンセラーからの回答など書いていきます。
個人的な事ですが、共通する悩みもあると思いますので、参考になれば幸いです。
相談Q&A
Q・DVやアルコール依存症の症状あり治るのか
飲むと暴言、暴力が出てそれを抑えられない、布団で放尿、嘔吐をする、自分のしてる事の大きさを理解できないし、覚えていないことも多いかったです。
A・本人が気付き並大抵ではない努力をしないと治らない
きっとアルコール依存症の症状だと思うけど、アルコール依存症になるということは深い部分に原因がある。
その人自身の性格の問題や、生きてきた環境、色々と複雑に絡み合っている。
本人が気付き並大抵ではない努力をしないと治らない。
あなたがどうだからということは関係ないし、あなたに救うこともできない。
Q・父親を取り上げたようで子供に申し訳ないし、離婚をしようとしている判断が正しいのか分からない
子供から父親を取り上げる権利はないのに、私の自分勝手な行動なら申し訳ない。
子供にとって父親が大切なのは言うまでもないので、離婚をすることがベストな方法なのか。
A・あなたは間違ってないし、よく決断して立派、何より子供も救えた
こういうことに子供を巻き込んではいけないし、離れたことは彼にとってもよいことだったのと思う。
早期解決が何より大事。
Q・旦那が腹いせに身内を手にかけたり、自殺してしまったらどうしよう
母親を殺すと言ったり、子供がいなくなるということかがどれ程の事なのか私にしたら想像を絶するので何をしでかすか分からず不安。
A・警察に注意を促すよう連絡、自殺は本人の問題
身内を手にかける危険を避けるため、シェルター内では入所者は連絡禁止なので施設から警察に注意するよう電話をお願いしてもらう。
自殺は本人自身が乗り越えないといけない問題で、離れたことが本人にとっても良いきっかけになった。
何より子供を守ることを考えたら仕方のない判断。
感じたこと
子供の将来に関わる事なので、相談して直ぐにこれが正しかったと、思えるほど簡単な問題ではなかったです。
でもDV専門のカウンセラーの方が、おっしゃってることなので、腹をくくるしかないんだなと感じました。
離婚を選択した場合の支援
私の場合頼れる実家もない、お金もない。
生活保護は最終セーフティーネットとして、シェルター退所をするにあたりの2択しかありませんでした。(実際問題は1択ですが・・・)
- 戻る
- 母子支援施設への入所
この2択を提案していただきました。
母子生活支援施設は、母子家庭の母と子(児童)を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。
- 家賃は無料(光熱費はかかります。)
- あらかじめ用意されている家電や家具あり(少しずつ自分で購入していき返却するシステム)
- 入所し生活が安定するまでの期間はお米、生活消耗品(洗剤、おむつ、ごみ袋など)や食材の支給
- 月に何度か物資の寄付がある
- お金が必要な場合相談の上、無金利で施設から借りれる
弁護士相談をうけることができる
シェルターまで法テラスを利用する形で弁護士さんに訪問し相談を受けれる。
外出許可が下りる方は、弁護士事務所まで直接行かれるようです。
「借金」「離婚」「相続」・・・さまざまな法的トラブルを抱えてしまったとき、「だれに相談すればいいの?」、「どんな解決方法があるの?」と、わからないことも多いはず。こうした問題解決への「道案内」をするのが私たち「法テラス」の役目です。
全国の相談窓口が一つになっていないために情報にたどりつけない、経済的な理由で弁護士など法律の専門家に相談ができない、近くに専門家がいない、といったいろいろな問題があり、これまでの司法は使い勝手がよいとは言えないものでした。
そうした背景の中、刑事・民事を問わず、国民のみなさまがどこでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにしようという構想のもと、総合法律支援法に基づき、平成18年4月10日に設立された法務省所管の公的な法人。それが、日本司法支援センター(通称:法テラス)です。
お問い合わせの内容に合わせて、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会、司法書士会、消費者団体などの関係機関の相談窓口を法テラス・サポートダイヤルや全国の法テラス地方事務所にて、無料でご案内しています(情報提供業務)。
また、経済的に余裕のない方が法的トラブルにあったときに、無料法律相談や必要に応じて弁護士・司法書士費用などの立替えを行っています(民事法律扶助業務)。
このほか、犯罪の被害にあわれた方などへの支援(犯罪被害者支援業務)等、総合法律支援法に定められた5つの業務を中心に、公益性の高いサービスを行っています(ほかに司法過疎対策業務、国選弁護等関連業務があります)。
引用元:日本司法支援センター法テラス
保護命令の申し立て
保護命令とは
身体的暴力や生命、身体に対する脅迫を受けた人が、裁判所に申立てを行うことで、2ヶ月間相手を家から退去させる、家の周辺のうろつきも禁止できる命令がだせ、また6ヶ月間相手が自分や子供に接近しないようにも命令することができる制度です。
【シェルター入所】退所先の母子支援施設へ

シェルターでは退所するまでの道筋は立ててもらえるけど、最終的に母子支援施設へ繋いでくれるのは役所の相談員の方です。
役所の相談員さんが訪問された時、『戻る』という選択はありませんでした。
しかし母子支援施設に行くということが想像できず、展開の速さにビビってしまい『母子支援施設に行きます』と返事ができない自分がいました。
役所の相談員さんからは、初めての訪問では挨拶と相談と提案をしに来ただけなので、次回お返事くださいと言われました。
その言葉に心の中で次の訪問の時は『母子支援施設に行きます』と言うことを決めました。
そして訪問の際その旨を伝え、母子支援施設への入所が決まりました。
シェルターから母子支援施設へ
シェルターを出る前に日に着の身着のままの家着で出てきた私たちに、シェルターの支援員の方が外用の服を用意してくださいました。
退所のご挨拶をしたときに、子ども二人にプレゼントを用意して下さっていました。
シェルターで過ごした2週間は長いようで短かったですが、こんな裏の世界があり、こうしてサポートしてもらえる環境をくれた、シェルターの職員の方や国に本当にありがたい気持ちでいっぱいになりました。
支給された服を着て複雑な思いで退所し、役所の相談員の方と母子支援施設に向かいました。
外に出ると現実に戻ったように、時間が再び動き出したような感覚に不安を感じました。
子供にとっての2週間はあまりに大きく感じ、大変な経験をさせてしまって申し訳ない気持ちと、なんとか普通の生活をさせてあげたいと強く思いました。
【シェルター入所】退所後の道は決して暗いものではない

どんなにどん底になろうとこの国に生まれた、それだけで救いがある。
決して元からあったわけでは無く誰かが犠牲になり、誰かが訴え、戦い考え抜いて作り出し形にしてくれた方達がいる。
そんな恩恵を受けて今の時代を生きれてるそれだけで、どん底な私でも幸せや、ありがたさを身に染みて感じました。
私は想像もつかない不安の中でも諦めないで行動した先には助けがありました。
そこから離婚、母子家庭、母子支援施設とまた大変な決断がありましたが、自分が想像できない事でも、先に行動してしまえば、考えも少しずつでも追いかけてくれるものだと感じました。
受け止めてもらえる場所は存在するので、諦めないで助けを求めてほしいなと思います。